
英会話初心者の勉強方法は、教科書・テキストを決める前に、もっと大切な点をふまえる必要があります。
失敗したり挫折しないために、準備することは教材ではありません。
何か新しいことにチャレンジする場合には、行動への相当のエネルギーが必要です。
これまでにいろいろと同じことに挑戦したものの、うまくいかずに挫折したという場合を想い出してください。
そうならないためには、まず夢・目標についてしっかりと自分の中に、意識を植え付けましょう。
夢・目標が実現した場合のあなたを想像してみてください。
英語を不自由なく聞き取れ、話しのできる状態はとても感動的でしょう。
好きな洋画のDVDを自宅で、字幕なしに理解し、内容を楽しめている光景。
外出先で困っている外国人旅行者に、こちらから話しかけて感謝され、手助けできた喜びの光景。
外国人の友人ができて、楽しく会話をしている光景。
海外旅行で景色や食事を楽しみながら、現地の人たちと楽しく会話している光景。
ホームステイ先で、ホストファミリーとあいさつだけでなく、もっとお互いを知りあったり、友情を深めている光景。
職場の外国人スタッフと英語で不自由なく意思疎通が図られ、周りからの評価もグーンと高まり頼りにされている光景。
海外出張が不安なくこなせて、海外の友人も増えて、充実した毎日を送る光景。
苦手だったリスニングやスピーキングの資格試験や就職試験に自信をもって臨んでいる光景。
その他、あなたなりの夢・目標が実現したときの光景を、思い浮かべてください。
そして、その光景をできるだけ具体的に、ありありとイメージしてみます。
そして次に、夢や目標を、実現可能なレベルに設定するのです。
1か月後、3か月後、半年後、1年後あたりで考えてみてください。
いつになるか分からない、結局先延ばししてしまう淡い夢や目標ではいけません。
ありありとイメージできるレベルまでを、当面の焦点にしましょう。
次に、そこに到達するまての道程を考えてみてください。
一つは、段階を追って到達するように、小目標に落としていきます。
1年がかりのものだと、現在のレベルとは相当ギャップがあると思います。
そうすると、目標だけ明確でも、いつまでたっても到達しないかもしれません。
富士山に登るにしても、どのようなルートで何日かけて行くのか、高山に登るための体力トレーニングや準備はどうするかとか、いろいろと考えますよね。
また、プロのスポーツ選手は、1年間のスケジュールを考えて、シーズンオフの過ごし方、体力づくりなど、だんだん本番に備えていきますね。
このように、具体的に目に見える何かに挑戦する場合は、計画性をもって段階的に準備していくと思いますが、目に見えにくいものはちょっとやっかいです。
だから、目標を実現するために、現実的なステップを考え、それそれのステップに向けて、準備をすることが大切です。
そしてさらに、細分化します。
それは、具体的に1日の行動・作業課題を作成することです。
毎日取り組むか、平日か、あるいは土日休日か。
取り組む日には、どんな時間帯とか状況で取り組むか。
つまり、その日の日課にするわけです。
あなたは以前に、受験などを体験したことと思いますが、どうしたでしょうか。
ある程度まで具体的な計画表を作ったと思います。
もっとも、完全に遂行できただめしはなかったかもしれませんが。(笑)
つい、無理なものになってしまいますね。
でも、計画はやっていくうちに、現実と照らし合わせて、柔軟に変更してもよいと思います。
ストレスがたまって、ブレーキになっては、本末転倒ですから。
それでも、現実的な目標と、具体的日課ができれば、あとは実行するのみです。
着実に進めれば、多少計画とは異なっても、開始した日からは、必ず進歩が伴います。
1週間、1か月単位でふり返ってみると、きっとそのときよりも「分かってきた」「聞き取れた」となっていますよ。
やはり苦手意識の強い方が多いですし、アジアの中でも低いと言われます。
知的能力が高いのに、英会話能力が低いという、奇妙な現実です。
そこで、英会話の勉強を進めるに当たって、一つの提案です。
ズバッと表現すると、「頭」で「知的理解」するのでなく、「五感」で「身に付ける」ことです。
もちろん、必要な程度の頭での知的理解は求められますが、まず発想として、それを捨ててください。
五感で身に付ける、と言っても、いったいどんなことなのか、ピンと来ないかもしれません。
例えを挙げると、イメージしやすいと思います。
一つは、日本の伝統的な習い事です。
お茶や生け花、踊り、古武術、等など。
それらは、専門的になると、一つの修行ということになります。
よく「道」という言葉を使って、「道を追求する」とか「道を究める」とか言います。
「行」という言葉が使われていますが、これは頭で知的に理解するのでなく、身体の行いを通して体得するという意味が含まれています。
例えば、行の典型として、僧侶の修行がありますが、毎日の身体を使う日課があり、それらにひたすら励んでいます。
坐禅なども、そうですね。
あるいは、江戸時代あたりからの伝統のある古武術。
そのような伝統の中で暮らす方たちは、毎日、ひたすら稽古に励んでいます。
頭で考えるのでなく、身体で身に付けようとしているわけです。
いずれにしても、特徴は、毎日、五感を使って実践し、求めるものを身に付けようとしていることです。
「守破離」という言葉があります。
ウィキペディアでは、このように説明されています。
「日本での茶道、武道、芸術等における師弟関係のあり方の一つ。日本において左記の文化が発展、進化してきた創造的な過程のベースとなっている思想でもある。
まずは師匠に言われたこと、型を「守る」ところから修行が始まる。その後、その型を自分と照らし合わせて研究することにより、自分に合った、より良いと思われる型をつくることにより既存の型を「破る」。最終的には師匠の型、そして自分自身が造り出した型の上に立脚した個人は、自分自身と技についてよく理解しているため、型から自由になり、型から「離れ」て自在になることができる。」
英会話を身に付けることを、日本の芸道と同じに考えることは、もちろんできません。
でも、いくつかのヒントを手に入れることは、できそうです。
実践の中で身に付けること、そして「習うより慣れろ」です。
「習うより慣れろ」は「故事ことわざ辞典」では、以下のように注釈されています。
「あらたまって人から教えてもらうより、実際に経験を積んだり練習を重ねたりして、体で覚えていくほうが、しっかりと身につくという意味。」
このように置き直せば、英会話を身に付けることと、つながってくると思います。
英会話では、毎日、聴くこと・話すことです。
英会話も、五感で身に付けましょう。